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2019年7月13日(土)朝日新聞掲載
ののちゃん おやつに硬いおせんべいを食べたよ。いろんなものをかめる歯って、すごく丈夫だよね。
藤原先生 そうね。歯の表面は、人の体の中で一番硬いところよ。
ののちゃん 一番硬いんだ!何でできているのかな。
藤原先生 エナメル質といって、主にリン酸カルシウムの一種の「ハイドロキシアパタイト」という物質でできているの。硬さは水晶と同じくらいと言われている。簡単にはすり減らないくらい丈夫で、神経や血管は通っていないから感覚はないの。
ののちゃん 内側はどうなっているの?
硬く丈夫だけど、折れると元に戻らない
藤原先生 エナメル質の内側には象牙質という部分がある。約70%がハイドロキシアパタイト、約30%がコラーゲンでできていて、エナメル質より少し柔らかい。さらにその内側の歯髄と呼ばれるところに神経があって、血管も通っている。歯の根元はセメント質という部分で覆われていて、その周りにはものをかんだときの衝撃を和らげる歯根膜があるよ。
ののちゃん 骨も硬いけど、骨と歯は違うの?
藤原先生 歯の象牙質と骨の成分は似ていて、硬さもほぼ同じくらい。大きな違いは、骨には血管が通っていて、新陳代謝を繰り返し、新しい骨と入れ替わっているところ。そのおかげで骨は折れても固定しておくと元通りくっつくの。でも、歯は新陳代謝しないから、虫歯などで穴が開いてしまうと、自然には治らない。だから虫歯の治療は人工的な詰め物で穴をふさぐ必要があるの。
ののちゃん 治療しないとどうなるの?
藤原先生 虫歯が進んで穴が深くなってしまう恐れがある。虫歯の原因となる菌が歯髄のところまで達してしまうと、神経を刺激してすごい痛みが出る。穴がふさげないくらい進んでしまうと、歯を抜かなきゃいけなくなってしまうわ。
ののちゃん 歯はすごく硬いから、簡単に穴は開かないんじゃない?
藤原先生 虫歯の菌は、私たちの食べた物の糖分を分解して、酸を出すの。歯は酸に弱くて、エナメル質などが溶けてしまうの。
ののちゃん 硬いエナメル質が溶けちゃうなんて、怖いね。
藤原先生 でも、少しなら大丈夫。唾液にはリン酸やカルシウムが含まれていて、溶けたエナメル質を補ってくれる。この働きは再石灰化と呼ばれるの。
ののちゃん あー、よかった。
藤原先生 油断はしないでね。再石灰化を促すためには毎日きちんと歯磨きをして、虫歯の菌が増えないようにすることが大事。お菓子や甘い飲み物をだらだら食べたり、飲んだりしていると、口の中は酸性の状態が長く続いて、再石灰化が追いつかず、虫歯が進んでしまう。時間を決めて、規則正しく食事することも心がけてね。